『アバウト・タイム』はどんな映画?
映画アバウト・タイム は2013年に制作されたイギリスのSF恋愛映画で、その時は見てなかったのですが先日、Netflixで見ました、評判が良いのは聞いていたのですがホントに良いお話の映画でした。
公開当時はそこまで大きな話題作という印象ではなかったのですが、年月が経つほどに「人生で一度は観てほしい映画」として、静かに語り継がれている一本です。派手さはないけれど、観終わったあとにじんわりと心へ染み込んでくる——そんな優しい余韻を残してくれる作品でした。
監督・脚本を手がけたのは、『ラブ・アクチュアリー』や『ノッティングヒルの恋人』で知られるリチャード・カーティス。人と人との温かなつながりを描かせたら右に出る者がいない名匠です。彼が「自分の集大成」とも語ったこの作品には、人生で本当に大切なものは何か、というメッセージが余すところなく込められています。
この映画は、時間旅行の要素を取り入れつつ、愛や家族、人生の意味など、深いテーマを扱っています。
「タイムトラベル」と聞くと、つい壮大な冒険やスリリングな展開を想像してしまいますが、この映画が描こうとしているのは、そういった非日常の興奮ではありません。むしろ、私たちが普段は気にも留めずに通り過ぎてしまう、ごく当たり前の日常の一瞬一瞬こそが、どれほどかけがえのないものなのか——そのことを、そっと教えてくれる物語なのです。
感動的な話で、多くの人が涙を流しながら観賞しています。また、出演者たちの演技も素晴らしく、特に主演のドーナル・グリーソンが繊細かつ自然な演技を見せています。
飛び抜けたヒーローでもなければ、特別な美男子でもない。どこにでもいそうな、少し不器用で誠実な青年を、彼はとても自然体で演じています。だからこそ観ている私たちは、主人公ティムに自分自身を重ね合わせ、彼の喜びや戸惑いを、まるで自分のことのように感じられるのだと思います。
家族や恋人、友人など、大切な人との関係や、人生の短さや尊さを考えるきっかけとなる、非常に感動的で心温まる映画です。
そしてこの記事のタイトルにもしたように、この作品は「何回観ても心が穏やかになれる」——それが何よりの魅力だと私は思っています。結末を知っていても、いえ、知っているからこそ、二度目、三度目に観たときの方が、登場人物たちの何気ない表情やセリフの一つひとつが、愛おしく感じられるのです。
わたしはドハマりしたので、立て続けに二回見ました。
主人公のティムとメアリーは出会って結婚して子供が出来て、それなりに家族の中での事件は起きますが、二人は暖かい家族に囲まれて幸せに過ごしていきます。
主人公の二人を見ていると、ホントに理想的なカップルで、憧れます。

映画のストーリー
映画って見る時の事前情報は少なかったら少ないほど、見た時の楽しみが増えるのでストーリーは極力簡単に書きますが、見どころのポイントは詳しく書きます。
主人公の男性は時間を操れます、タイムトラベラーです、が、決してSF映画でも無いんです、変な乗り物とか機械とかロボットは出てきません。
ホントにゆるい~~ゆるい~~緩いタイムトラベラーの話です。
タイムトラベルというと、過去を変えて歴史をひっくり返したり、未来を救ったりといった大きな出来事を想像しがちですが、この映画でその力が使われるのは、もっとささやかな場面ばかりです。失敗した告白をやり直したり、言いそびれた一言を伝え直したり——誰もが一度は「あの瞬間に戻れたら」と思うような、身近で愛おしい使い方ばかりなのです。
ティムが受け継いだ、一族の秘密
主人公ティムは幸せな家庭環境に生まれ、弁護士になりました、ここまで何不自由ないティムが、21歳の誕生日を迎えたとき、父親から一族の秘密・一族の男子のみタイムトラベルの力が有る事を知らされます。
面白いのは、過去へ戻る方法がとてもシンプルなことです。暗い場所で目を閉じ、戻りたい瞬間を思い浮かべるだけ。タイムマシンのような大掛かりな装置は一切出てきません。このさりげない演出が、「これは特別な人の物語ではなく、私たち自身の物語なのだ」と感じさせてくれます。半信半疑でその力を試すティムの表情も、とても微笑ましいシーンです。
ただしこの能力の使い方には条件があって、自分の過去にしか行くことはできない、未来には行けません。
この「過去にしか戻れない」という制約が、実はこの物語のとても大切なポイントになっています。未来を先回りして見ることはできないからこそ、ティムは目の前の一日一日を、自分の選択で精一杯生きていくしかありません。万能のようでいて、決して万能ではない——その絶妙な力加減が、物語にリアリティと温かさを与えています。
もし未来まで自由に見渡せたなら、人は安心するどころか、かえって今この瞬間を生きる意味を見失ってしまうのかもしれません。先がどうなるか分からないからこそ、私たちは目の前の人を大切にし、一日一日を懸命に生きようとする。この映画は、そんな当たり前のことの尊さを、タイムトラベルという設定を通して逆説的に描き出しているのです。
そして父親は過去に祖父が金儲けの為にタイムトラベルを使い散々な人生を送ったことを諭し、お金儲けのために力を使ってはいけないと教えました。
お金や成功のために力を使えば、人生は確かに豊かになるように見えるかもしれません。けれど父は、それでは本当の幸せは手に入らないということを、自らの父(ティムの祖父)の生き方を通して知っていました。この「能力を何のために使うべきか」という問いかけは、そのまま「人は何のために生きるのか」という、この映画の根っこにあるテーマへとつながっていきます。
父に理想の人生を送るために能力を使えと忠告され、ティムは恋愛のために使おうと思い、女性にアタックしていきます。
やがてティムは、メアリーという一人の女性と出会います。タイムトラベルの力を使ってもなお、恋愛は思い通りにはいきません。一つのすれ違いを直せば、また別の何かがこぼれ落ちてしまう——そのもどかしさと愛おしさが、とても丁寧に描かれていて、二人が少しずつ距離を縮めていく過程は、この映画の大きな見どころのひとつになっています。
やり直せる力を持っていても、相手の気持ちまでは思いどおりにできない。だからこそティムは、小さな失敗を繰り返しながらも、誠実に相手と向き合っていきます。便利な力に頼り切るのではなく、最後は自分の気持ちと言葉で関係を築こうとする——その姿に、本当の意味での「愛する」とはどういうことかを考えさせられます。
結局のところ、自分の欲望のままにタイムトラベルを駆使して人生を最高のものにしていく、そんなストーリーかも知れないですが、そんな事はまったくありません。
むしろ物語が進むにつれて、ティムは「やり直せること」よりも「やり直さずに、その一度きりの時間を大切に味わうこと」の尊さに気づいていきます。何でもやり直せる力を持っているからこそ、最後にたどり着くこの境地が、この映画のいちばん美しいメッセージなのだと思います。
私たちは誰も、現実にはタイムトラベルなどできません。でも、だからこそ——一度きりしかないこの人生を、後悔のないように、目の前の人とていねいに過ごしていきたい。そう自然に思わせてくれるところに、この映画の本当の価値があるのだと思います。
忙しい朝に簡単栄養チャージ!朝食スープティムはときおり父親と男二人で卓球を楽しんでます、父親もタイムトラベルを使うことが出来るので、この何気ない父親との卓球してるシーン、どちらかがタイムトラベルで戻って卓球を楽しんでいるのか?
それとも現実の時間の中で楽しんでいるのか? 見終わってこのシーンを思い出すと切なくなります。
何気ない卓球の時間が、見方を変えるだけでこれほど胸を打つものになる——それはきっと、この映画が「特別な瞬間」ではなく「ありふれた日常」にこそ宝物が隠れていることを、丁寧に描いているからでしょう。一度目に観たときと、結末を知ってから観返したときとで、まったく違う表情を見せてくれるシーンです。

感想と見どころ
この映画、知り合い数人にも見てもらいましたが感想は色々で、わたし以上に感動した友達もいましたが、中には全く感動出来ない人も居ました。
派手な事件が起きるわけでも、分かりやすい山場があるわけでもないので、刺激的な展開を期待して観ると物足りなく感じる人もいるのかもしれません。けれど、この映画の良さは、静かな水面のように穏やかなところにこそあります。心がざわついているときよりも、ふと立ち止まって自分の毎日を見つめ直したくなったときに観ると、より深く沁みてくる作品だと思います。
とはいえ、見た人の殆どは見てよかったと言ってくれてます。
話は二人を取り巻く出来事がオムニバス形式で展開されていく感じです。
特にティムの妹のキットカットのエピソードは恋愛について色々な見方が出来るし、また妹を親身になって見守るティムとメアリーが優しすぎです。
自由奔放で、どこか危なっかしい妹のことを、ティムは決して突き放すことなく、いつもそばで見守り続けます。家族だからこそ口を出しすぎず、でも見捨てもしない——その距離感の取り方が本当に優しくて、観ているこちらまで温かい気持ちになります。家族とはどういうものかを、説教くさくなく、さりげなく描いているのも、この映画の大きな魅力です。
登場人物の誰一人として、悪人がいないのもこの映画の心地よさの理由です。誰かを陥れたり、傷つけ合ったりする展開はほとんどありません。みんなが少しずつ不器用で、それでも互いを思いやりながら生きている。そんな優しい人たちの輪の中に、自分も入れてもらえたような、ぽかぽかとした幸福感に包まれます。
この映画のサブタイトルにあるような、愛おしい時間について とにかくハートフルな話で、どんな時も、今を楽しもう!
オープニングで家族の生活が出てくるんですが、雨の日も風の日も・・・一年中、楽しく過ごしています。台風で強風と豪雨の中での結婚式でも、その時間を楽しんでます。
普通なら「最悪の天気だ」と落ち込んでしまいそうな場面でさえ、この家族は心から笑い合っています。どんな状況でも、その時間そのものを面白がり、味わい尽くそうとする姿勢。彼らのその生き方こそが、タイトルにある『愛おしい時間』の意味を、何よりも雄弁に物語っているように感じました。
顔を上げれば、毎日はもっと愛おしく見える
途中のワンシーンで、ティムが落ち込んで仕事も帰りのコンビニでも、家に帰っても憂鬱な一日だったのを、同じ一日をタイムトラベルでもう一度やり直しました。
前向きに顔を上げて過ごすと、さっきは見えなかった日常の景色やコンビニの店員さんの笑顔、同じ何気ない一日でも顔を上げて過ごすと見える景色は全然違って見える。
やっていることは、ただ「下を向くか、顔を上げるか」の違いだけ。それなのに、同じ一日がまるで別物のように輝いて見える。このシーンは、タイムトラベルという特別な力がなくても、私たち自身が今日から実践できる「人生を豊かにするヒント」を、そっと差し出してくれているように思えます。

見終わった後は毎日を大切に生きていこうと思うこと間違いなしだと思います。
日々がつまらないと感じる人はこの映画をみれば、毎日の生きる視点がちょっとは変わるかなと思います。
忙しさに追われていると、私たちはつい「早く終わってほしい」「明日になれば」と、今この瞬間を雑に扱ってしまいがちです。でもこの映画を観ると、その「なんでもない今日」こそが、後から振り返れば二度と戻らない宝物だったのだと気づかされます。特別な出来事は何も起きていないのに、自分の毎日がいとおしく思えてくる——そんな不思議な力を持った作品です。
この映画の色合い・明度とか色彩は抑えられており間色(原色の反対で柔らかい色合いの事)で表現されていたのも、話の暖かみを感じる大きな要因になっていたかと思います。
鮮やかな原色でぐいぐい感情を煽るのではなく、どこか懐かしく、柔らかな色調で全体が包まれています。イギリスの曇り空や、海辺の風景、家族が集まる部屋の灯り——その一つひとつのトーンが、登場人物たちの穏やかな愛情とよく馴染んでいて、画面を眺めているだけで心がほどけていくようでした。
ほんとに、愛おしい時間が溢れてる映画でした。
そして物語が進むにつれて見えてくるのが、この映画の本当の中心にあるテーマ——「父と息子の関係」です。タイムトラベルという力があるからこそ生まれる、父と過ごす時間の意味。その描き方が本当に優しく、そして切なくて、多くの人が涙するのもこの場面だと思います。詳しくは触れませんが、ぜひご自身の目で確かめてみてください。
親というものは、いつまでもそばにいてくれるわけではありません。当たり前に過ごしてきた日々が、実はどれほど貴重だったのか——それに気づくのは、たいてい失ってからです。この映画は、その大切さを、まだ間に合ううちにそっと思い出させてくれます。観終わったあと、無性に家族や大切な人に会いたくなる、そんな作品です。
まとめ
タイムトラベルの能力を持つ若者ティムが、自分自身や大切な人たちとの人生の中で出会いや別れ、成長や学びを通じて、時間と人生の尊さや大切さを学ぶストーリーです。
この映画は、家族や恋人、友人との関係を通じて、人生を大切に生きることの重要性を訴える、感動的で心温まる作品として知られています。
また、出演者たちの演技が素晴らしく、特に主演のドーナル・グリーソンが繊細で自然な演技を見せていることでも知られています。
そして時間旅行の要素を含むファンタジー映画ですが、深い人間ドラマを描いており、多くの人々の心を打つ作品として、世界中で高い評価を得ています。
何度も観返したくなる映画というのは、そう多くありません。けれど『アバウト・タイム』は、観るたびに新しい発見があり、そのときの自分の心境によって、心に刺さる場面が変わってくる作品です。落ち込んでいるときには励まされ、幸せなときにはその幸せをより深くかみしめさせてくれる。まさに、人生に寄り添ってくれる一本だと思います。
学生のときに観るのと、社会に出て働き始めてから観るのと、そして家族を持ってから観るのとでは、心に残る場面がきっと変わってくるはずです。それは、この映画が「人生そのもの」を描いているからにほかなりません。年齢を重ねるごとに、また違った味わいを届けてくれる——そんな一生ものの作品です。
もし今、毎日がなんとなく味気ないと感じていたり、大切な人との時間をつい後回しにしてしまっていると感じているなら、ぜひ一度この映画を観てみてください。きっと観終わったあとには、いつもの何気ない一日が、少しだけ違って——そして、ずっと愛おしく見えてくるはずです。
何気ない毎日こそが、かけがえのない『愛おしい時間』なのだと——この映画はきっと、あなたの心にも穏やかな灯をともしてくれるはずです。私自身、何度観返しても、そのたびに優しい気持ちを取り戻させてもらっています。


