ハクチョウは冬鳥として10月頃にシベリアから約3千~4千キロを渡り、日本へ飛来します。
冬の訪れを告げる野鳥として、『冬の使者』とも表現され、北海道から数は少ないですが九州にも飛来します。
地域の野鳥愛好会によってハクチョウは見守られている場合が多いですし、同じハクチョウが毎年同じ場所に来ることが多いです。
ハクチョウにはオオハクチョウとコハクチョウに分けられています。
大きな違いはくちばしの黄色の面積の大きさです。
オオハクチョウは黄色の面積が大きく、くちばしの先の黒い所との境目の下の方が少し尖っています。
コハクチョウはオオハクチョウに比べて黄色の面積が小さく、黒い部分との境目の下の方が尖っていません。
写真を撮るにあたっては個人的にはオオハクチョウでもコハクチョウでも、どちらでもハクチョウならそれで良いと思います。
撮影準備
ハクチョウは基本的に朝、群れで一斉に寝ぐらの湖や河川から飛び立ち、餌を求めて農耕地・田んぼなどに向かいます。
場所にもよりますが、比較的早朝に飛び立ちますが時間は分かりません。
ハクチョウが飛び立つ前に、ある程度一定のスピードで真っすぐ助走をつけてから飛んでいきます。
カメラで追従しやすく、流し撮りに最適なシャッターチャンスになります。
飛び立つ時は、大きな翼をバタバタと動かすので流し撮りをすると躍動感が生まれます。
天候や風の強さのど、その日のコンディションで時間は日々違うので撮影時は早朝6時頃には現地で待機しなくてはいけません。
その後、夕方には順次帰ってきますので、この時間も撮影チャンスはありますが周りは薄暗い時間帯になっているのでISOは上げ気味になると思います。
しかし狙い目となるのはもちろん朝です、ほとんどの白鳥飛来地では早朝から沢山のカメラマンが訪れてます。
カメラと設定
ハクチョウを撮影するにあたってはカメラは一眼タイプ(一眼レフ、一眼ミラーレス)が絶対に良いと思います。
理由はハクチョウを撮影する時のカメラ設定はシャッタースピード優先が一般的です。
そしてシーンよって早いシャッタースピードの場合と、低速のシャッタスピードを使い分ける場合がありますが、このような設定はスマホでは出来ないので、やはり一眼カメラが理想です。
レンズは撮影場所の距離により何とも言えないですが、一般的に飛立つハクチョウを撮影するなら、200~600㎜ くらいのレンズがあれば撮れます。
下記では望遠レンズと野鳥について解説しています。
望遠レンズは一眼カメラの醍醐味、野鳥撮影で楽しむ600mm の世界
ハクチョウ撮影
止めて撮る・高速シャッター
ハクチョウを撮影する時の一番のポイントは撮影ポジションです。
いつ飛立つか分からないけど、ひとたび飛立つと一気に飛立ちます。
飛立ってから撮影ポイントを変える事は難しく、場所を移動している間にハクチョウは居なくなってしまいます。
私の経験上では、風に向かって飛立つ事が多い気がしますので、自分のポジションは風向きで決めています。
もしくは常連さんが居れば、その人の近くでも良いかも知れないですが、その場合は自分の撮影イメージと違うことも覚悟しなくてはいけません。
景色優先でのハクチョウ撮影と、ハクチョウ優先の撮影では自分のポジションは全く変わってきます。
この写真はシャッタスピード 1/1600 で撮りました。
池の真ん中辺で、助走から飛立つまで綺麗に画面に収める事ができました。
ブラして撮る・スローシャッター
スローシャッタでの流し撮りです。
流し撮りについては下記でも解説しています。
流し撮りの写真が楽しすぎる、誰が撮っても飛行機の流し撮りはハイクオリティー
ハクチョウの流し撮りのシャッタスピードは 1/60 ~ 1/4 の範囲が撮影し易いと思いますが、1/4 レベルになるとハクチョウの顔や瞳にピントを合わせるのはかなり困難だと思います。
ピントを捨てて別の視点での撮影ならアリかと思いますが、ピントを顔に合わせるつもりなら 1/30か1/20 くらいが現実的な数値かと思います。
しかし、写真の撮り方やベストなシャッタースピードの正解は撮影者が決めるもので、人の意見は聞いても参考程度で良いと思います。
下の写真のシャッタースピードは 1/30 です。
シャッタスピードを 1/8 で撮影したらピントを合わせる難しさもありましたが、翼の羽ばたきが白くなり過ぎて蜂の羽みたいな感じになったので、ある程度は翼が見えるシャッタースピードを選びました。
早いシャッタースピードとスローシャッターの使い分けですが、わたしは快晴の時は早いシャッタースピードを選択し曇り空の時はスローシャッターを選ぶことが多いです。
ISO的には、この撮り方が理想的だと思いますが、晴れた日は減光フィルターを使い、シャッタースピードをスローにする事もあります。
まとめ
- 撮影時間は早朝6時頃を目安に撮影場で待機。
- 風向きでハクチョウが飛立つ方向を読む(風に向かって飛ぶ可能性が高い)
- ハクチョウの飛ぶ方向を読んで、イメージしている撮りたいアングルの場所で待機。
- 場所取りが撮影アングルをほぼ決定してしまいます。
- ハクチョウを止めて撮るのか、スローシャッターで流し撮りで撮るのか決めておく。
- ハクチョウは飛立つ時は一斉に飛立つので、飛び立ってからの場所移動は撮影出来ないリスクが高いです。